とりあえず、前書きみたいなものから。
私は、長く生活保護制度に関わってきた。先月末までの一年間、久し振りに現場に身を置き、結果として数多くの違法に近い状況や、明らかな事務処理基準違反を目にし、抗ってきた。
この度、現場を「卒業」したことで、以前から温めてきたこの取り組みを形にしてみようと思い立った。
この文章は、今の生活保護法に関して「改正を求める新たな提案」などを行うものではない。(ただし、私自身が日弁連による「生活保障法への改正」に強く賛同していることは明らかにしておく。)
この文章の意図は「現行の生活保護法」が「本来はどういうものであるのか」を明らかにしようとする試み、というところにある。
私の経験上、「現行の生活保護法」が「本来はどういうものであるのか(=正しい法解釈と理解)」を知らずに本制度に関わっている人々が「余りにも多く」、そのため、現行法が本来あるべく運用されていれば生じ得ない種々の問題が生じているという実態がある。
そして、それらの問題は、制度利用者の暮らしに深く深刻な影響を及ぼす。
現行法を正しく、適切に運用するだけで、多くの人権侵害・権利侵害的な状況は防ぐことができる。
そのことを一つの目的として、現行生活保護法についての私なりの分かりやすい「逐条解釈」を書いてみようと思い立った次第である。
「逐条解釈」としては、既に「生活保護法の解釈と運用」(小山進次郎著)という「金字塔」があるが、その存在すら知らない制度従事者ばかりとなり(せっかく全社協が復刻したのに)、また、同著はその著された時代背景から、現代としては表現が相応しくなかったり、読みにくい部分があるのも否定できない。
したがって、偉大なる先輩の業績は崇めつつ、より実務的で平易に書いて行けたらと思っている。
書いていて興が乗ったら、事務処理基準である「生活保護法による保護の実施要領」にも触れていくかも知れない。
という訳で、前書きがやたら長くなったので、本編は別にポストすることにする。
生活保護法について書いてみた(前書き)
生活保護のこと

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